違和感があったらすぐに練習ストップ!ケガは軽いうちに治そう

2022年4月29日

ランナーにケガはつきものみたいなところもあって、膝や腰が痛いのにそのまま走り続けている人もいますよね。今はなんとか誤魔化せても、60代、70代になったときに健康でいられるかというともちろんそんなわけはなく、そもそも痛みがある場合には走ることが楽しくないですよね。もちろん、自己ベスト更新なんて目指せません。

ケガは何もせずに勝手に治ってくれるということはありません。違和感があった段階で、まずは休めることがとても大事。ただ、頭でわかっていても、走力が落ちるのではないかと不安になる人もいるかもしれません。そこで今回はランナーがどのようにしてケガと向き合えばいいのかについて、わかりやすく解説していきます。

違和感があったらまずは立ち止まること

ランニングにおけるケガは、基本的に可動部分の損傷によって起こります。最初は小さな違和感ですが、それが徐々に大きくなり、その違和感を無視していると痛みになって現れます。小さな違和感の段階では気付かないこともありますが、多くの人は「気付かなかった」ことにしてしまいがち。

このまま放置して治ってくれるのが1番という気持ちはわかります。でも何も起きていないのに痛みや違和感が発生することはなく、なんらかの異常事態が発生しているわけですから、この段階で早めに対処する必要があります。対処といってもやることはシンプル。とにかく走るのを止めることです。

まずは立ち止まって、できればどこかに座りましょう。5〜10分程度休んでみて、違和感が消えたら歩いてみましょう。それでも問題なければランニングに戻してOKです。それでやはり痛みや違和感が出るなら、その日のトレーニングは終了してください。ムリにがんばると炎症がひどくなって回復が遅れてしまいます。

痛みがある場合には、損傷箇所が熱を持って炎症を起こすことがあるので、これは冷やしたほうがいいとされていますが、中途半端な知識で治療するのはNG。冷やさなくてはいけないと思うほどのケガなら、まずは病院で診てもらいましょう。そこまでではないなら、ムリにリカバリーさせようとしなくてもかまいません。

痛みの原因はオーバートレーニングと認識する

ではそもそもなぜ膝などが痛くなるかという話ですが、痛みの原因のほとんどがオーバートレーニングにあります。「走った距離は裏切らない」と言われているので、真面目な人ほど月間走行距離が伸びがちですが、それに耐えられるだけの体になっていない場合には、簡単に故障することになります。

トップレベルのランナーが1ヶ月500km以上走っていると聞いて、それを真似ようとする人がいますが、トップレベルのランナーがその走行距離に耐えられるのは、積み上げてきたものがあります。その人たちだって、最初から月間走行距離が500km以上だったわけではありません。

走っていないと不安になるかもしれませんが、サブ3を狙うというのでなければ1週間に2日程度のオフを作りましょう。どうしても体を動かしたいのであれば、その2日をピラティスや体幹トレーニングに充てて、足の筋肉への負荷を下げるようにしてください。水泳で上半身だけ使って泳ぐというのもおすすめです。

マラソンは努力すればするほど結果がでるスポーツですが、それに比例してケガのリスクが高まるスポーツであるということを認識しましょう。どこまでリスクをとるかは人それぞれ。健康的に長く走りたいというのであれば、ただひたすらに距離を積み重ねるトレーニングからは卒業してください。

筋トレやピラティス、減量で走れる体を作るところから

オーバートレーニングでケガをしてしまうのは、それに見合うだけの体ができていないから。ですので、ケガをしたくないのであれば筋トレやピラティスなどをして、走れる体を作り上げることが重要です。ランナーの多くが地味な筋トレを嫌いますが、これを行うかどうかでケガのリスクがまったくかわってきます。

40代以降であれば、筋トレをすることで30代のスピードが戻ってくるので、また以前のように記録狙いの走りができるようになります。ランレコード練習会では筋トレをメインにしたトレーニングをしていますので、筋トレのやり方がわからないという人は、無料開催ですのでぜひご参加ください。

筋肉を付けるのと同時に取り組みたいのが減量です。最近は極度の減量はよくないという風潮があるのですが、それはトップランナーレベルの話であって、標準体重よりも重たいなら体重を落とすことにデメリットはありません。自分に適した減量方法で、少なくとも標準体重まで戻しましょう。

膝への負担は体の重さで決まってきます。同じ身長で、60kgの人と66kgの人が同じ距離を走ったら、膝への負担が大きくなるのは明らかに後者で、単純計算で1.1倍の負荷がかかります。着地するたびに負荷がかかるわけですから、長い距離を走ったときの損傷具合がまったく変わってくるのは容易に想像できますよね。

関節周りの筋肉を付けて、さらに体幹をしっかりと整える。そのうえで体重を落とせば、ケガをせずに長く走り続けられるようになります。地味な作業ですが健康な体でいたいなら、定期的にそれらを取り組むようにしてください。

思い切って1ヶ月ほど休んでみよう

痛みがあるけど走り続ける。それは決して褒められたことではなく、自分のランニング人生を短くしてしまいます。プロランナーや実業団のランナーは走ることが仕事ですので、走りながら治すという方法をとることもありますが、私たち一般のランナーがそれを真似るメリットはひとつもありません。

ケガがなかなか治らない。治りかけで走って再発する。そういう場合には、思い切って1〜2ヶ月くらいランニングから離れてみましょう。走れないのが不安なら毎日1時間の散歩をすれば、筋力低下を最小限に抑えられます。まずはしっかりと治したうえで、トレーニングを再開しましょう。

膝にサポーターをあてたり、インソールを履いて誤魔化したりするのはNG。そんな対処療法をしていても、いずれどこか別の場所を故障してしまいます。長いランニング人生で1〜2ヶ月程度休んだところで、さほど大きな問題はありません。それでランニング寿命が1〜2年伸びるならむしろ、休んだほうがお得です。

いつまでも長く走り続けたいなら、ケガをした状態でのランニングはやめて、しっかりと休むように意識を変えてください。

 

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