【脱糖質制限】失速せずに走れるようになりたければ炭水化物を摂ろう

2021年10月6日

ダイエットのために走っている人は、さらに痩せられるということで糖質制限をしている人もいますよね。目的がダイエットならそれでもいいのですが、もし走る目的がダイエットから「フルマラソンを速く走る」に変わっているなら、食事もそれに合わせて変えていきましょう。残念ながら糖質制限ダイエットをしながら、フルマラソンを速く走ることはできません。

フルマラソンを失速せずに完走したいなら「脱糖質制限」が必須です。ただ、体重が軽いほうがタイムに繋がりやすいのも事実。だとしたら、やっぱり糖質を減らしたいですよね。その考え方は間違ってはいないのですが、優先順位を勘違いしています。そこで、ここではマラソンランナーのための栄養学として、糖質の役割や必要性について解説していきます。

糖エネルギーがないと私たちは走れない

私たちランナーは体内の糖・グリコーゲンをエネルギーにして走っています。体脂肪をエネルギーにすることも可能ですが、体脂肪をエネルギーにするにしても糖が必要。なのに糖質制限ダイエットをしていると、体内の糖が圧倒的に不足するので、フルマラソンを走ると人によっては30kmの壁の前で失速します。

もちろん体重が軽いほうが有利なのも事実です。でもグリコーゲンは車でいうところのガソリンと同じで、いくら車体が軽くてもガソリンがなければ走り切ることはできません。体脂肪もエネルギーにはなりますが、速く走るときにはエネルギーへの変換がスムーズに行えません。

ガソリンがないと車が走らないのと同じで、糖エネルギーがないと私たちは走ることができない。これは人間である以上、避けることができない重要なポイントになります。糖質制限ダイエットをしている人は、タンクに貯蔵されているガソリンが少ない状態なのだと考えてください。途中でガソリンスタンド(エイド)に寄れば補給できますが、ガソリンとは違って消化して吸収するまではエネルギーにはできません。

貯蔵できる糖だけでフルマラソン完走は無理

糖エネルギーがないとフルマラソンを速く走り切ることはできませんが、困ったことに体内に貯蔵できる糖の量には限界があります。これも車と同じで、ガソリンタンクの容量を超えては貯めておくことができません。その貯蔵量の最大まで貯めたとしても、30km走る程度のエネルギーにしかなりません。

ここがマラソンの難しいところであり、面白いところでもあります。だから私たちはフルマラソンを走るときに、下記のいずれかを選ぶ必要があります。

● 体脂肪をエネルギーにできるくらいまでペースを落とす
● レース途中で補給する

簡単なのはペースを落とすことです。これをすれば無補給でフルマラソンを走り切るのはそれほど難しくはありません。残念ながら自己ベスト更新を狙うのはかなり難しくなりますが。ほとんどのランナーがタイムを意識して走るわけで、ゆっくり走るくらいならマラソン大会に参加せずに自分で走りますよね。

ちなみに以前はカーボローディングという考え方があり、実際に実行している人もいましたが、カーボローディングは身体への負担が大きいのに、結局は糖が不足するので最近ではあまり重視されなくなっています。1週間前に炭水化物を減らして、直前に多く摂取するというスタイルのカーボローディングは忘れてしまいましょう。

普段から糖を摂取していないといざというときに補給できない

糖質制限をおすすめしない理由は他にもあります。糖質制限をして、普段から炭水化物を減らしていると、腸は炭水化物の吸収が苦手になります。タンパク質中心の食生活になると、身体がそれに合わせてタンパク質を吸収しやすいように適応するためで、レース直前になってタンパク質を摂っても、うまく吸収できません。

反対に普段から炭水化物中心の食生活にしておくと、腸は炭水化物を上手く吸収できるようになり、レース中の補給を効率よくエネルギーに換えることができます。どちらのほうが良いタイムで走れるかは明白ですよね。1秒でも早く走りたいなら、糖を吸収しやすい体にしておく必要があり、そのためには普段から炭水化物中心の食事を心がけたいところです。

もちろんそれは「ランナーとしての理想」であって、健康的な食事なのかどうかは別問題です。マラソンを速く走るのに特化した身体を手に入れたいなら、ある程度は偏った食事にしなくてはいけません。バランスのいい健康的な食事では、総合的に質の高い身体が手に入りますが、マラソンにだけのことを考えると「無駄」が多く、いい走りができません。

炭水化物を摂取してもそれだけ消費すれば太らない

炭水化物の必要性をお伝えしてきましたが、それでもまだ「糖質は太る」という思い込みが抜けていない人もいるかもしれません。実際に糖質は水分を含みやすいので体重が増えやすいのは事実。でも、増えているのは水分だけで走ってしまえば、その水分は糖エネルギーとともに体から抜け落ちていきます。レース後半に向けて体が軽くなっていくので、失速を回避しやすくなります。

そして何よりも、しっかりと走り込みをすれば、炭水化物を摂取しても消費されるだけですので、そこまで太ることはありません。太るのは消費量に対して多く摂りすぎているからで、毎日きちんとトレーニングを積んでいれば、エネルギーとして使われるので、脂肪として体に付くこともなく体重増加にはつながりません。

炭水化物で太るのはシンプルに練習不足か食べ過ぎです。何も考えずに「糖質だから避ける」としていると、フルマラソン後半の失速が癖になりますし、質の高いトレーニングもできません。糖質はランナーにとって重要なエネルギー源のひとつですので、特別な理由がない限り、摂取を控えたりしないように心がけましょう。

 

 

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