1kmのタイムトライアルで自分の走力を確認しよう

2022年6月20日

自分の走力がどの程度にあるのか、過去に比べてどの水準まで上がったのかを確認するのにおすすめなのが、1kmのタイムトライアルです。1kmは思ったよりも長い距離ですが、有酸素運動でもあるので心肺機能のレベルがわかり、それでいてスピードも必要になるので、現状の筋力の確認もできます。

それでいて疲労感が少ないので、普段のトレーニングの合間にもできます。1kmを速く走れるようになれば、マラソンでも好記録を期待できますし、1kmを上手く走れるようになるとペース配分の意識が身につくといったメリットもあります。ここではそんな1kmのタイムトライアルについて解説していきます。

定期的に1kmのタイムトライアルを走るメリット

1kmのタイムトライアルをおすすめする理由は、自分の走力を客観視できるという点にあります。1kmの距離だと気温や湿度などのコンディションの影響を受けにくく、夏でも冬でも安定したタイムを出せるため、自分がレベルアップしているのか、それとも走力が低下しているのかなどをタイムだけで判断できます。

しかも1kmを全力で走るだけですので、疲労が残りにくいというメリットもあります。それなりに消耗はしますが、5kmや10kmのタイムトライアルと比べると疲労感は少なく、ケガのリスクも最小限に抑えられるのも魅力。それでいて体にはしっかりと刺激が入るので、1本走るだけでもスピード練習にもなります。

ただし、本来の目的は自分の走力をチェックすることで、そのためには目的意識を持ったトレーニングを日々行っていく必要があります。例えば毎月1回、1kmのタイムトライアルをするとして、その1ヶ月の間に何らかの成長している要素のあるトレーニングをしていないと、タイムトライアルを行う意味がありません。

1ヶ月集中して筋トレをする。1ヶ月集中してインターバルを取り組む。1ヶ月でしっかりと体重を落とす。そのような、明らかに変化が出るための取り組みをしている場合にのみ、1kmのタイムトライアルを定期的に行う意味があります。ジョグだけを淡々と積み重ねるタイプのトレーニングをする場合には、1kmのタイムトライアルはあまり意味はないのでご注意ください。

オーバーペースにならない限界まで追い込む

1kmを実際に走ってみると、意外と走り切るのが難しいことに気づくはずです。ほとんどの人が最初にスピードを上げすぎて、後半に息が切れて失速するはずです。まずはこうならないように、ペース配分できるようになりましょう。スタートから300mまではできるだけスピードを抑えながら入り、中盤は粘って、後半に絞り出す感じです。

オーバーペースにならないように、できればランニングウォッチでペース管理をするのがおすすめですが、1kmのタイムトライアルだとランニングウォッチに目をやるほど余裕がないかもしれません。ですので、呼吸する感覚で「このスピードは無理」というのを掴めるようになるのが理想です。

また、スピードが上がると人間は肩甲骨周辺に力を入れてしまうのですが、そうなると呼吸が浅くなって十分な酸素を供給できなくなります。後半に失速する多くのケースが酸素不足によるもの。そうならないように、走っているあいだは常に肩甲骨に意識をやり、リラックスした状態で走り切るようにしてください。

具体的には左右の肩甲骨が1本の糸で繋がっているような感覚を持つと、必要以上に力が入らず、酸素不足になることなく1kmを走り切れます。この感覚はタイムトライアルだけでなく、フルマラソンやジョグでも重要な感覚になります。走っていないときも寝ているとき以外は常に意識してみてください。

できるだけフラットなコースを選ぶ(理想は競技場)

1kmのタイムトライアルをするときに大事なのは、できるだけフラットなコースで行うことです。理想は競技場ですが、競技場は利用許可とか敷居が高いので公園で構いません。ポイントは毎回同じ場所で走ることです。コースが違うとそれだけでタイムが変わるため、自分の成長を確認するのが難しいためです。

距離の測定はGPSランニングウォッチでOKです。ただし、直角カーブが多いコースだとGPSランニングウォッチできちんと距離を出せないことがあるので気をつけてください。スマホアプリも同じく精度が低いものが多いので、GPSランニングウォッチがないなら距離表示のある公園などで走るのがおすすめです。

公園を走るときに注意してほしいのは、歩行者や遊んでいる子どもたちがいるということ。タイムトライアルは気持ちが入っているので、どうしても強引な追い抜きをしがちですが、危険な走り方はしないように心掛けてください。できるだけ余裕をもって避けるのはもちろんのこと、場合によっては立ち止まって計測を止めてください。

それを回避したいなら、人が少ない時間帯にチャレンジしましょう。暗いとスピードを出しにくいので、人がまだ少ない午前中に走るのがいいかもしれません。路面がきちんと整備されているなら、まっすぐに走れる河川敷もおすすめです。ただし、河川敷は風の影響を受けやすいので、できるだけ風のない日に計測してください。

トレーニングではなく走力の確認作業

ちなみにタイムトライアルはトレーニングではありません。多少の筋トレ効果や心肺機能向上も期待できますが、あくまでも走力を確認するのが目的です。ですので「今日はタイムトライアルをしたから終了」では困ります。計測するのは目的とするトレーニングの前。ジョグを済ませて、体が温まったタイミングで計測してください。

そのあとは本来のメニューを行いましょう。ただ、思った以上に筋肉には負担がかかっていますので、十分に回復時間を確保するか、ポイント練習ではなくジョグにするなど、走り終えたあとの感覚をもとにして、その日のメニューを臨機応変に変更してください。

また、できるだけ自分のコンディションがいいときに行うのが理想です。ポイント練習翌日は疲労が溜まっているため、走力の確認ができません。ポイント練習を1週間に2回組んでいるなら、中3日になるタイミングのポイント練習前日がおすすめです。

1日目:ポイント練習
2日目:ジョグ
3日目:ジョグ
4日目:1kmタイムトライアル+ジョグ
5日目:ポイント練習
6日目:ジョグ
7日目:ジョグ

こんな感じで行えば、疲労も抜けてベストコンディションで走力を確認できます。回数は毎週でもいいですし、1ヶ月に1回でもOK。大事なのは定期的に測定して現状を確認すること。もちろんタイムに対して自分なりの考察を加え、トレーニングにフィードバックするのも忘れないようにしましょう。

 

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