2022年9月23日
初秋のマラソン大会といえば、北海道マラソンを思い浮かべる人も多いかと思います。ただ、初秋のマラソン大会は北海道マラソンだけでなく、全国各地で開催されている月例マラソンもそうですし、他にも富士山を舞台にしたマラソン大会なども開催されます。基本的には涼しい場所での開催ですが、それでも気温が30℃を超えることも珍しくありません。
そうなってくると、気合と根性だけでなんとかなるわけもなく、きちんと完走するための戦略が求められます。もちろん練習も含めて、きちんと備えておかなくてはいけません。そこで今回は、夏のマラソン大会を狙い通りのタイムで完走するための方法について、詳しく解説していきます。
スタート前にレースペースを決めない
初秋のマラソン大会で大事なのは、その日のペースを事前に決めないということです。初秋は気温が高くなりやすく、その環境でどれくらいの走りができるのかは、走りはじめてみて初めてわかります。「サブ3.5を狙いたいから、キロ5分を切るぐらいで……」なんて考えていると、まず間違いなく失速します。
もちろん、事前にいくつかのプランを立てておくことはOKです。思うように走れなかったパターンや、曇り空で気温がそこまで気にならないなど、いくつものシミュレーションをしておき、状況に合わせて走り方を変えていければ、その環境における最高のパフォーマンスを引き出せます。
ただ、マラソンのシチュエーションは無数にあるので、いくつもプランを考えなくてはいけなくなります。それができる人は限られているので、やはりおすすめは走り出してからプランを考えることです。スタートして最初の5kmで自分が快適に走れるペースを見つけて、あとはそのペースを維持すること。
快適に走れるペースがわからないという人は、ランニングウォッチの心拍計を参考にするといいかもしれません。普段のトレーニングで心拍数がどれくらいになるオーバーペースなのかを把握しておき、その心拍数を超えない範囲で走るようにすれば、オーバーペースを防げます。
すべてのエイドで給水する
マラソン大会で重要なのは、できるだけスタートラインに立ったときと同じ状態でゴールするということです。そのために必要なものは「失ったものをしっかりと補う」こと。ランニングで失われるものは「水分・ミネラル・糖(脂肪)・赤血球」の4つになります。脂肪と赤血球は走りながら補えないので、他の3つをしっかり補給してください。
気をつけたいのは水分を「水」で摂るのはNGだということ。水だけを摂取すると、水分に対するミネラルのバランスが崩れてしまい、余計に走れなくなってしまいます。なので「水分は体液と同じ成分のものを補う」が基本になります。そんなことできるの?と思うかもしれませんが、これはとてもシンプルで、スポーツドリンクを飲んでおけばOK。
スポーツドリンクは水分にミネラルが含まれており、しかも糖分も補給できるので、マラソンレース中の補給に最適です。甘くて苦手という人もいるかもしれませんが、これに関しては好き嫌いを言っている場合ではありません。いい走りをしたければ、エイドではスポーツドリンクを選びましょう。
エイドはすべてのエイドで補給しましょう。ロスになるから飛ばしたくなる気持ちはわかりますが、初秋のマラソン大会はすでにお伝えしましたように、思った以上に気温が上がります。喉が渇いていなくても、コップ半分くらいの水分を補給して、脱水状態になるのを回避しましょう。
できるだけ日陰を走るように心がける
マラソン大会によっては、日陰がまったくないというような大会もありますが、基本的には日陰を走るというのも暑さ対策になります。直射日光は体力をどんどん奪っていくので、とにかく太陽から逃げるようにして走ってください。レース中の日焼けは、リカバリーを遅らせる要因にもなりますので。
ただ強引な進路変更はしないことです。日陰がどこにあるかを意識してライン取りをしてください。ただし、スタート時点での気温が低く、体が冷えそうなときは日陰を避けて、太陽でしっかりと体を温めましょう。薄っすらと汗をかいてきたら、日陰を走るようにしてください。
この時期のレースは風が強く吹くことはそれほどありませんが、もし大会当日の向かい風が強いようであれば、自分よりも体が大きな人の後ろに入って、風の影響をできるだけ小さくするのもおすすめです。自分と同じくらいのペースの人に引っ張ってもらいましょう。
ただし、あまりにもピッタリと付くと相手にストレスを与えてしまいますので、迷惑をかけない程度で他の人の後ろに移るなどしてください。
ランニングキャップとサングラスは必須
この時期のマラソン大会で重要になるのが紫外線対策です。気温が高いのでできるだけ涼しい格好をするのはもちろんのこと、紫外線から体を守るために、ランニングキャップとサングラスを着用しましょう。ランニングキャップがあるだけで日焼けを防ぎやすくなりますし、サングラスがあれば目を守れます。
特に重要なのがサングラス。紫外線が目から入ってくると、疲労を感じやすくなるのですが、サングラスを着用することで、疲労感を感じないまま走り続けられます。これにより、後半の失速を防げるので、きちんと最後まで走り抜きたいのであれば、サングラスを着用して走りましょう。
ランニングキャップはメッシュになっていて、通気性がいいものを選んでください。紫外線対策とはいえ、熱中症のリスクもあるので、頭部に熱がこもるのは避けたいところです。メッシュタイプのキャップなら、熱がしっかりと抜けてくれるので、熱中症も回避しやすくなります。
オーバーペースに気をつけて完走を目指そう
9月から10月にかけてのマラソン大会は、夏場にかなりの走り込みをしていなければ、まず結果を出すのは難しいというのが現実です。気温が20℃以上あったら、ペースをしっかりと落としてスタートし、余裕がありそうだと感じたらペースをゆっくりと上げていきましょう。
最初から自己ベスト更新を狙えるようなペースで走ると、まず間違いなく後半に失速して失敗レースになります。もちろんしっかりと走り込んできたなら、自己ベスト更新を狙うのもいいのですが、エイドごとでの給水やキャップをかぶるなどして、徹底した暑さ対策を行ってください。
そこまでしても、やはり初秋のレースは難しいものです。ですので、基本的なスタンスとしては自己ベスト更新を狙うのではなく、その日のベストを尽くす走りを心がけましょう。