フルマラソンだけがマラソンじゃない!「ハーフマラソンのすすめ」

2022年10月8日

日本では「マラソン=フルマラソン」と考える人が多く、フルマラソン完走を目標にトレーニングを積んでいる人がほとんど。でも、海外だとフルマラソンの人気はそれほど高くなく、参加者が多いのはフルマラソンではなくハーフマラソンです。大会によってはハーフマラソンのほうが募集人数を多くしていることもあります。

なぜフルマラソンではなくハーフマラソンを選ぶのか。ハーフマラソンなんて達成感もないし、トレーニングの一環として参加することはあっても、ハーフマラソンに合わせて調整することもないという人に、ここではハーフマラソンの魅力について詳しくご紹介していきます。

ハーフマラソンは疲労が残りにくい

ハーフマラソンの魅力は、なんといってもフルマラソンのような疲労が残りにくいこと。全力で走れば、もちろん翌日に筋肉痛がやってくることもありますが、フルマラソンのようにいつまでも体が重たいなんてことはありません。人によっては翌日から練習再開できる程度の疲労度にしかなりません。

よくフルマラソンには30kmの壁があると言われていますが、ハーフマラソンはその壁がやってくる前に終わるわけですから、体に必要以上の負荷がかかっていないわけです。限界を超えた疲労ではないので、多少は回復時間が必要になったとしても、1週間も休めば元の体に戻ります。

疲労が残りにくいので毎月レースに出るということも可能。フルマラソンは1シーズンに2回までというのがトップランナーの基本的なスケジュールであり、一般のランナーもそれに準じているかと思います。1年間に2回しか走らないとなると、経験値がなかなか上がっていきませんが、ハーフマラソンなら1シーズンに5レース以上走れるのできちんと経験を積んでいいけます。

失敗レースをしても、その反省を踏まえて次のレースを走ればいいだけですし、自分なりに何度もトライアンドエラーもできるのがハーフマラソンの面白いところ。失敗を恐れずにチャレンジできるので、フルマラソンよりも速いスピードで成長できます。

歩かず最後まで走りきれるから達成感がある

フルマラソンを完走したことがある人でも、レース後半に疲れて歩いてしまったという人もいますよね。歩いてはいけないわけではありませんが、やっぱりどこか気持ちが引っかかっているかと思います。できることなら歩かずに、最後まで走りきってフィニッシュラインを超えていきたいですよね。

ただフルマラソンはそれなりの練習量がないと、歩かずに走り切るというのは難しいのが現実。でも、そんな歩いてしまう人も、21kmの折り返し地点まではちゃんと走れていたかと思います。そう、ハーフマラソンはほとんどの人が歩かずに走りきれる距離であり、走り切るからこその達成感があります。

もちろん、オーバーペースになってしまうとハーフマラソンでも歩くことになるかもしれませんが、少なくともフルマラソンのペースで走れば最後まで走りきれます。もっとも、それだと達成感が薄れてしまいますので、ある程度はペースを上げて走るのがおすすめですが。

いずれにしても、きちんとペースを守りさえすれば、ハーフマラソンは歩かずにゴールできます。それを何度も繰り返していると自信になって、安定感のあるレース展開ができるようになります。最後まで自分をコントロールできる力も身につくので、フルマラソンの成績も自然と伸びていきます。

フルマラソンよりも技術が求められる

フルマラソンの半分の距離だから簡単だと思っている人もいるようですが、実はハーフマラソンを上手く走るのはかなり高い技術が求められます。フルマラソンは比較的ゆっくりなスピードを長時間維持するので「耐える」ことが重視されますが、ハーフマラソンはスピードを出しながらも、最後まで走りきれるペース配分が求められます。

がむしゃらに走ったらまず間違いなく失速するのですが、抑えて走ると今度は余力を残してゴールすることになります。きちんと21kmで筋力やエネルギーを使い切るのは「なんとなく」ではいけません。自分の走力を正しく把握して、自分で定めたペースを守り切り、そして自分を超えていくためにどこかで勝負に出る。

言葉にするのは簡単ですが、実行するのは簡単ではありません。ただ、そこにハーフマラソンの面白さや魅力があります。フルマラソンよりも不確定要素が少ないので、正しくトレーニングを積めば、確実に結果となって返ってくるというのも、ハーフマラソンをおすすめする理由のひとつです。

ランニングの奥深さや、自分をコントロールする感覚を学ぶにはハーフマラソンが1番。マラソンを苦行の場ではなく、成長の場にしたいのであれば、積極的にハーフマラソンに挑戦してみましょう。

ハーフマラソンを上手く走れるようになろう

マラソン=フルマラソンという思考になっているため、人生初のマラソン大会がフルマラソンというような人もいますが、人生経験としてはそれでもいいのですが、スポーツをするという観点からするとおすすめしません。やはりしっかりと手順を踏んで、ステップアップしていくのがおすすめです。

まずは5kmや10kmのレースを歩かずに走れるようになったら、ハーフマラソンの世界でチャレンジしましょう。1〜2回走って「次はフルマラソン」とするのではなく、ハーフマラソンで自分の思うような走りができるようになってから、フルマラソンに挑戦するのが理想です。

そしてそこからフルマラソンを主戦場にするのではなく、ハーフマラソンをメインにレースに出場し続けて、1年に1〜2回ほどフルマラソンに出るようにしてください。そうすることでランナーとして消耗しすぎるのを避けられますし、きちんと技術もつくのでフルマラソンでも結果を出しやすくなります。

ハーフマラソンを自分のフィールドにする。日本ではまだまだ定着していない考え方ですが、少しでも長くランナーとして走り続けたいなら、フルマラソンにこだわらないことです。ハーフマラソンを上手く走れる自分を維持する。そして時々フルマラソンも走ってみる(走らなくてもいい)。そんなスタイルを確立してみてはいかがでしょう。

 

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