マラソンを完走するためのランニングウォッチ活用方法

2020年8月1日

最近のランニングウォッチはGPSがついていて、心拍数も測ることができます。さらには疲労具合を数値化してくれたり、トレーニングメニューを教えてくれるものもあります。でも、それらの機能を使いこなしている人は限られています。ほとんどの人はタイム計測くらいにしか使っていませんよね。

でも、このランニングウォッチを使いこなすことができれば、失速を防いで最後まで走り切ることができます。そこで、ここではマラソンを完走するためのランニングウォッチ活用方法についてご紹介していきます。

ペースではなく心拍数を重視する

マラソンランナーの多くが、レースが始まる前に目標タイムを決めます。そして、そのタイムで完走するためにはどれくらいのペースで走ればいいのかを逆算します。例えばサブ4が目標なら5分40秒/kmで走ることになります。特別なことではありませんよね。

でも、この5分40秒/kmが、その日の自分にとってベストなペースなのかどうかはわかりません。過去にサブ4に近いタイムで走っていても、そのときとは気温も湿度も違うわけです。自分自身のコンディションだって違います。人によっては走るコースも違います。

なのに走り出す前にペースを決めてしまうのは、オーバーペースを招く可能性があります。ベストタイムを出したときよりも、気温が10℃も高いのに、同じペースで走ったら失速するのが当然ですよね。でもペースありきで走ると、そのペースを無理に守ろうとして後半に潰れます。

そうならないために、ペースではなく心拍数を重視して走りましょう。考え方は「最大心拍数の約85%以下」で走るようにしてみましょう。最大心拍数の計算方法もいろいろありますが、下記の式から算出してください。

最大心拍数 = 206.9−(0.67×年齢)

44歳なら「206.9−(0.67×44)=177.42」になります。最大心拍数が177ですので、これの85%ですので150になります。ペースは気にせずに心拍数が150以下に収まるように走ることで、後半の失速を防げます。

心拍数やペースが必ず正しく表示されるとは限らない

ランニングウォッチの心拍数を重視して走るのがいいとお伝えしましたが、残念ながらこの心拍数を頼りすぎるのもNGです。なぜなら表示されている心拍数が必ずしも正しく表示されているわけではないためです。これは心拍数だけでなく、ペースも同様です。

ペースはまだそれなりの精度がありますが、心拍数は装着場所がズレるだけで正しく計測できなかったりします。このため、「心拍数140をキープしよう」と思ってランニングウォッチに従って走っても、表示が正しくないとランニングウォッチに振り回されます。

そうならないために、自分の感覚を磨くことが大切です。普段から自分の負荷がどれくらいの心拍数なのか、感覚でわかるようにトレーニングしましょう。例えばジョグをしたときに「これくらいなら120くらい」と判断し、実際に表示されている値との差異を減らせるようになりましょう。

それを繰り返し行っていると、ランニングウォッチの表示値が間違っていたとしても、その値に振り回されなくなります。表示されている値はあくまでも参考で、大事なのは自分の感覚を磨くということです。

疲労具合を調べられるなら休養の目安にしよう

ガーミンにしてもポラールにしても、中級モデル以上になると疲労具合を判断できる機能がついています。機種によっては「疲労が溜まっているから無理をしないでください」なんてアドバイスもしてくれます。でもランナーはそのアドバイスを無視しがちです。

走っていないと不安だから、多少疲労が残っていても「ジョグくらいなら」となり、そのジョグでも気分が乗ってきてペースを上げてしまうなんてこともよくありますよね。結果的に余計に疲労を溜めてしまうなんてこともあります。

休養のアドバイスも必ずしも正しいわけではありませんが、少なくともきちんとしたノウハウがあってのアドバイスですので、身体のどこかにSOS信号が出ているのは間違いありません。自分で気づかない疲労が溜まっていることもあり、そこで頑張るとケガにつながります。

ランニングで大事なのは、「練習・食事・休養」の3本柱で、どれかひとつでも欠けると成長できません。私たちがどうしても疎かにしがちな休養の部分をランニングウォッチの指示に従うことで、疲労の蓄積やケガの発生を防げます。

本当は休養するかどうかも自分で判断できるのが理想ですが、自分の判断は甘くなりがちで、オーバーワークになることが多々ありますので、このような機能を有効に活用して、上手に休みを入れるようにしてください。

まとめ

最新のランニングウォッチはペースや心拍数を表示でき、他にも様々な機能もあってとても便利です。心拍数を基準にしてレースを組み立てれば後半の失速を防ぐこともでき、気負うことなくペースを上げることもできます。

ただし、心拍数もペースも絶対的な数値ではありません。あくまでも参考値で、特に心拍数は大きくズレてしまうこともあるので、普段のトレーニングで自分の感覚で心拍数を推定できるようになっておいてください。

また、オーバーワークを防ぐために、疲労度のチェックができるモデルを使っているなら、それを利用して上手に休養を入れましょう。自分で走れると思っていても、身体が限界に達していることもあり、そういうときに練習しても意味はありません。ランニングウォッチが「休め」とアドバイスしているときくらいは思い切って休んでしまいましょう。

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