日本最速は誰だ?マラソンの日本記録について知ろう!

 

2020年8月9日

市民ランナーにとっては無縁な世界ではありますが、日本記録はすべてのランナーに意識してもらいたい基準です。日本人がどこまで速く走ることができ、自分がそこからどれだけ離れているかを感じるための基準です。

トップランナーと自分との差は、自分に残された伸びしろと考えることもできます。もし自己ベストが4時間ちょうどなら、大迫傑選手が出した、2時間5分29秒と1時間54分31秒の差があります。これが自分の伸び代です。そう考えるとちょっとやる気が湧いてきませんか?

もちろん、その伸び代を完全に埋めることができないかもしれませんが、目線は常に高くしておくべきです。ランナーとしてスタートラインに立つのであれば、目線は常に最高峰におく。そのために、今回はマラソンの日本記録についてのお話をしようと思います。

マラソンの日本記録は3つある

男子
2020/03/01 大迫傑 2:05:29 東京マラソン2020

女子(男女混合)
2005/09/25 野口みずき 2:19:12 ベルリンマラソン

女子(女子単独)
2020/03/08 一山麻緒 2:20:29 名古屋ウィメンズマラソン

これが2020年8月6日現在でのマラソンの日本記録です。女子の日本記録が2種類あるのですが、女子は女子単独レースと男女混合レースでの記録がそれぞれ違います。男女混合の場合には、終始ペースランナーをつけることもできるので、記録が出やすいためです。

というわけで女子は野口みずきさんが最速とされていますが、女子単独だと一山麻緒さんが、日本女子最速ということになります。1分17秒差ですので、もしかしたら一山麻緒さんもベルリンマラソンに挑戦したら、こちらの記録も塗り替えるかもしれません。

ちなみに女子の歴代記録のトップ3はいずれもベルリンマラソンで、1位が野口みずきさん、2位が渋井陽子さん、3位が高橋尚子さんです。

マラソン日本記録のペース

2時間5分29秒や2時間19分12秒と言われても、いまいちスピードが伝わりませんよね。そこでもう少し具体的でわかりやすい単位でペースを見ていきましょう。

男子日本記録 2時間5分29秒
ペース:2分58秒/km
100m換算:17.8秒
時速:20.18km/h

女子日本記録(男女混合) 2時間19分12秒
ペース:3分17秒/km
100m換算:19.8秒
時速:18.19km/h

女子日本記録(女子) 2時間20分29秒
ペース:3分19秒/km
100m換算:20秒
時速:18.02km/h

男子の日本記録を出すには100mを17.8秒で走る必要があります。これは小学3年生の平均スピードですが、42.195kmを続けなくてはいけません。女子でも20秒以内で走る必要があり、いかに速いのかわかってもらえるかと思います。

ほとんどの市民ランナーが女子の日本記録ペースである3分19秒で1kmを走るのも困難ですよね。そう考えると、トップアスリートがいかに優れているかがわかってもらえるかと思います。でも、世界はさらにその先の領域にあります。ちょっと恐ろしいですよね。

日本記録から学ぶタイムが出やすい条件

3つの日本記録があり、それぞれ違う大会ですが、実はこれらの大会には共通点があります。

・気温が15℃以下
・コースがフラット

野口みずきさんが走った2005年のベルリンマラソンだけは、スタートの気温が13℃だったにも関わらず、最終的には20℃まで上昇しています。例年通りの気温なら2時間18分台が出たのではと言われていますが、それでも序盤は涼しい気温で走れています。

東京マラソン2020:11.5℃
名古屋ウィメンズマラソン2020:8.4℃

ベルリンマラソンも例年は14℃程度で走りやすく、世界記録が生まれる大会として知られています。ここからもマラソンにおいて気温の低さがいかに重要なのかがわかります。間違っても真夏のオリンピックで、世界記録が出るなんてことはないわけです(南半球は冬ですが)。

それともうひとつは、やはり高低差です。

東京マラソン:約40m
名古屋ウィメンズマラソン:約18m
ベルリンマラソン:約20m

東京マラソンは40mの高低差がありますが、これはスタートの新宿が高台の上にあるためで、スタートから下ったらあとはフラットです。高低差はランナーのペースを乱しますし、ロスも発生します。

これは私たち市民ランナーが記録を狙うときにも参考になります。高低差の大きな大会よりも、東京マラソンや名古屋ウィメンズマラソンのようなフラットなコースのほうが自己ベストが出やすく、反対にアップダウンの多いコースでは記録が出にくくなります。

もし自己ベスト更新を狙うなら、気温が10〜15℃程度で高低差が30m以内くらいを基準に選びましょう。

まとめ

ランナーでも日本記録がどれくらいなのか、さっと答えられる人は少ないですよね。女子の日本記録が2つあるということも知らなかったという人もいますよね。自分には縁のないタイムといえばそれまでですが、日本記録と自分の記録の差は自分自身の伸び代です。

こんなにもまだ速く走れる余地が残っていると思ったら、モチベーションが上がりますよね。記録が伸び悩んでいるという人は、アップダウンの少ない冬の大会にエントリーしてみましょう。ずばりマラソンの日本記録が生まれた東京マラソンと名古屋ウィメンズマラソンがおすすめです。

もちろん大事なのは地道な練習です。日本記録に少しでも近づけるように、コツコツ積み重ねていきましょう。

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