ナイキだけじゃない!ウィズコロナにおけるランニングシューズの選び方

2020年10月7日

2020年の春まではナイキのヴェイパーフライが注目され、ナイキペガサスを履いている一般のランナーも大勢いました。ところが、新型コロナウイルスで世の中が大変になっている状況で、ランニングシューズの勢力図が再び大きく変わろうとしています。昔の人は上手くいったもので「栄枯盛衰」、ランニングシューズにおいてもその流れが見えつつあります。

そこで、今回はウィズコロナ時代にナイキのランニングシューズを選ぶ意味と、時代を先取りしてナイキ以外のランニングを選ぶときの考え方について、わかりやすくご紹介します。

ナイキの力は強いが限界が見えてきた

どのメーカーも本来オリンピックが開催されるタイミングに合わせて、最新のランニングシューズを発表しました。いずれも厚底でカーボンプレートなどの補強材が使われています。その中でもアディダスのAdizero Adios Proはナイキの対抗馬として注目されていますが、まだまだトップランナーの多くがナイキのランニングシューズを履いています。

ナイキのシューズを履かないことには勝負の土俵にも上がれない状態がしばらく続いたので仕方ないことですが、先日開催されたロンドンマラソンではAdizero Adios Proを履いた選手が1秒差の2位に入り、さらになニューバランスのランニングシューズを履いた選手も健闘しました。

徐々にナイキ1強の牙城が崩されており、まだまだランニングシューズにおいて王者ではあるものの、圧倒的存在だった時代はすでに過去のものになっています。おそらく、これからアディダスやニューバランスのシューズを選ぶランナーが増えてくるはずです。

この流れはいずれ、私たち市民ランナーにも降りてきます。これまではナイキを履いておけば間違いなかったのが、以前のように自分好みのランニングシューズを選ぶようになり、市民ランナーの間でもナイキ1強は崩れていきます。

マラソン大会に出ないなら速さを追求するシューズはいらない

トップランナーの世界では、もうナイキが絶対という存在ではなく、よりよい条件の契約をしてくれるメーカーに選手が分散することになります。では、ランニングシューズを提供されるわけではない、私たち市民ランナーはどうすればいいのでしょう。

私たちがこれからランニングシューズを選ぶときに、「何のために走るのか」を再定義する必要があります。新型コロナウイルスの影響で、マラソン大会がオンライン開催になり、一部の大会は再開を表明していますが、圧倒的に少数です。このようなマラソン大会がない状況で、自分が何のために走るのか。

おそらくほとんどの人が、タイムを追うことから1度離れることになります。いくら練習をがんばっても、それを発揮する場がない。そんな状況で高いモチベーションを維持できるランナーは限られています。

だとすれば、選ぶべきランニングシューズはナイキのヴェイパーフライのように「速く走れること」ではないはずです。しばらくは、私たちに速さだけを求めるランニングシューズは必要ありません。それよりも大事なのは、ランニングが楽しくなるシューズ、走りに行きたくなるランニングシューズです。

足を鍛えたいかジョギングを楽しみたいか

これからしばらくはマラソン大会に出ないとすると、ランニングシューズの考え方がまったく変わってきます。2万円以上もするような高額なランニングシューズはしばらく購入する必要はなく(物欲的には欲しいかもしれませんが)、目的に合わせて最適なシューズを選ぶのが理想です。

そのときの考え方は2つあります。

● マラソン大会に復帰するときのために、足を鍛える期間にしたい
● 健康のために気持ちよく走れればいい

この2つの考え方のどちらを選ぶかによって、履くべきランニングシューズが変わってきます。もし足を鍛えておきたいなら、クッション性が高く、反発力のあるシューズは靴箱に閉まっておき、軽くて薄底で足を守らないランニングシューズを選びましょう。

そして徹底的に足を酷使しましょう。もちろんリカバリーと合わせて、オーバートレーニングにならない範囲でということになりますが、厚底で足を過保護にするランニングシューズは足を鍛えるのには向いていません。一般的なEVAをミッドソールに使った安価なモデルを履いてください。

健康のために気持ちよく走れればいいというのであれば、大事なのはケガをしにくく軽快に走れるということですので、厚底シューズがいいのですが、強い反発力はいらないので、カーボンプレートなどの補強材が入っていないモデルが適しています。

ナイキのシューズならペガサスターボ2(廃盤?)やリアクトなどがおすすめで、シューズ選びの際には「履きやすさ」と「フィット感」を重視しましょう。シューズが履きやすいほど走りに行くハードルが下がりますので、ナイキのシューズに限らず、さっと履ける1足を選びましょう。

まとめ

ランニングシューズの開発競争が落ち着き、これからはナイキだけでなく幅広い選択肢の中からランニングシューズを選べるようになります。一方でマラソン大会がなく、レース用のシューズは物欲を満たすくらいの役割しかなく、しばらくは目的に合わせたシューズ選びをしたいところ。

自分が何のために走るのかを考えて、その目的に合った1足を選びましょう。レースがないのなら、2万円以上もする高額なランニングシューズは必要ありません。以前のように予算は1万円以下で、リーズナブルなシューズの中から最適なシューズを見つけ出してください。

もちろんヴェイパーフライやアルファフライを買うのもいいのですが、それはマラソン大会に出るようになってからでも構いません。今は毎日走りたくなるような快適性の高いシューズをおすすめします。

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