気づいてからではもう遅い!夏場のランニングは塩分補給がポイント

2021年5月10日

夏の暑い日に水などを持って走る人もいるかもしれません。確かに「水」はとても大事なのですが、水だけを補給して安心しているなら、それは間違った知識です。夏場の水分補給は必ず塩分と合わせて行う必要があります。「したほうがいい」ではなく「しなくてはいけない」なのですが、そこまで強く意識している人は限られています。

そこで、今回は水分補給や塩分補給の必要性と、具体的な熱中症対策の方法などを詳しく解説していきます。熱中症にかかると1週間近くはまともにトレーニングできなくなるので、走力アップを考えている人にとってはかなりマイナス。そうならないためにも正しい知識を身に着けて、安全にランニングを楽しみましょう。

気温が30℃以上あるなら「走らない」が基本

先に伝えておきますが、基本的に暑い時間帯に走るのはNGです。気温が30℃を超える環境で走ることに、メリットはひとつもありません。自分の体を酷使して、消耗させているだけですので夏場の日中は走らずに、早朝もしくは日が沈んでからはしるよう。気温が30℃以上ある環境で、快適に走る方法などありません。

日本人は無理をすることが美徳だったり、成長につながると思ったりしがちですが、それは昭和の遺産だと考えてください。厳しい言い方になりますが、それは無駄な努力です。苦しみを欲しているなら、それを止める理由はありませんが、走る理由が自分を鍛えることや健康のためというのであれば、気温が高い環境では走らないでください。

どうしても走らなくてはいけないのであれば、自分の体を守るための対策を徹底して行いましょう。大事なのは水分補給だけでなく、塩分も補給するということ。それも、喉が渇いてからではなく、スタート直後からこまめに補給するのが基本です。胃から腸に流れる水分量には限りがあるので、1度にたくさん給水しても意味がありません。

他にも気をつけるポイントがいくつかありますので、詳しく見ていきましょう。

ミネラルを失うと体は動かなくなる

人間の体にとって重要なのは酸素と水。この2つにエネルギーが加わって、私たちの体は動きます。一般的に発汗で失われていい水分は、体重の2%までとされています。体重が60kgなら1.2kgの水分が失われると、脱水症状になり運動能力が目に見えて低下します。走れなくなるわけですから、そんな状態でトレーニングやレースを続けても意味がありません。

ただ、水分だけを補えばいいかというとそうではありません。私たちの筋肉は電気信号で動いています。この電気信号を正しく伝えるのには、ミネラルが必要になります。ところが、汗は水分だけでなく、ミネラルも同時に排出してしまいます。ミネラルが体内に不足すると、電気信号が正しく伝わらないので思うように体を動かせなくなります。

このため水分補給では、水分だけでなくミネラルも補給しなくてはいけません。「補給したほうがいい」ではなく「補給しなくてはいけない」であることをしっかりと意識してください。日常生活で喉が渇くのと、ランニング中に喉が渇くのとでは、対処方法がまったく違います。走って失った水分を補給するときには必ずミネラルも同時に摂るようにしましょう。

ミネラルウォーターや麦茶じゃ足りない

ミネラルや塩分が必要だと聞いて、ミネラルウォーターや麦茶でいいと思っている人もいるかもしれません。なんせミネラルウォーターは「ミネラル」が含まれた水ですから。麦茶もミネラルが多くていいと言われていますので、スポーツドリンクの代わりになりそうな気もします。でも実際はどちらもスポーツドリンクに遠く及びません。

ミネラルウォーターのミネラル量

ナトリウム:0.49mg
カルシウム:0.97mg
マグネシウム:0.14mg
カリウム:0.28mg

麦茶のミネラル量

ナトリウム:0.1mg
マグネシウム:0.5mg
カリウム:12mg

スポーツドリンクのミネラル量

ナトリウム:50mg
カルシウム:2mg
マグネシウム:0.6mg
カリウム:20mg

スポーツドリンクと同じだけのミネラルをミネラルウォーターや麦茶で摂ろうと思うと、かなりの量を補給しなくてはいけません。それでは体内のミネラルバランスが崩れて、余計に走れなくなります。日常生活でミネラルウォーターや麦茶は有効ですが、ランニング中の補給には適していません。水道水よりはマシですが、体にとっては誤差のようなもの。

ランニング中の水分補給は、必ずスポーツドリンクもしくは経口補水液で行いましょう。甘さが苦手というのであれば、水に塩やサプリメントを加えて摂取してください。

まとめ

気温が高い日のランニングは水分補給が重要。そんなことはほとんどのランナーさんが分かっていることかもしれませんが、実際に水や麦茶ではなく、ミネラルを含んだスポーツドリンクや経口補水液を飲めている人は限られています。スポーツドリンクがベタつきやすいというのもありますが、スポーツドリンクの糖分は水分を体内に維持するのに必要な成分。

好き嫌いではなく、ランナーにとって必要なものだけで作られていますので、走るときにはできるだけスポーツドリンクを飲むようにしましょう。ミネラルウォーターや麦茶は喉の乾きは癒せても、失った汗を補完することはできません。どうしてもスポーツドリンクが嫌なら、サプリメントや塩などを使って補うようにしましょう。

基本となる考え方は、「失ったものを補う」ことです。汗をかいたなら、汗で流れてしまった成分を補給しましょう。これができるかどうかで、トレーニングの質が変わってきます。より質の高いトレーニングを求めるなら、計画的な水分補給・塩分補給を心がけてください。

 

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